オレンジアンドタールを読んで 

本自体は、一言でいえば難解に感じた。独特の表現とか、普通は言葉にしないことを言葉にしているから理解するのにやや苦労した。ただ、読んでいるときにいくつか考えたことがあるから、それを整理して自分なりに文章にしてみる。

 

まず、トモロウと自分を比較してみる。

(匿名だし、だれも自分のことを知らないし興味ないから何でも書けるやん♪)

年齢:トモロウ23歳/自分 21歳

現在の状況:大学を中退して弁天橋下で浮浪者/ 大学在学中、卒業後の進路は未定

父親:県議会議員(世間体がすべてみたいな思考)/普通の会社員(割と放任主義

彼女:いた。孕ませた。/ずっといない、つまり童貞

その他:伝説のスケート・ボーダー/小1から高3まで本当にマジでサッカーしかやってこなかった(平々凡々プレーヤー)

 

まあ似てないかな。というか、トモロウも十分情けなくてだらしないけど、おれも負けてないくらい情けないな。文字にすると辛い。

 

でも、社会に対する違和感とか、自分への嫌悪感とは少し似てるし、理解できる部分もある。

おれは、今大学4年生でもう卒業後の進路を決めないといけない時期なんだけど、何も決まっていない。高校の英語教師なりたくて教職課程取ってたけど、大3の途中で、英語を高校生に教えるのは自分には向いてないし、楽しいと思えないし、別にやりたいことでもない。ということになぜか気づいてしまい教職を辞退した。となれば、就活をしなければいけないが、あまりにも自分が社会人として働いている姿が想像できなすぎる。やりたいことは、実は明確にある。でも、それは仕事にならないし、生活できない。誤解はされたくないから、これは強調するけど、働きたくない。とか楽に簡単にお金稼ぎたい。とかは全く思ってない。

 

純粋に、今、普通に会社員として働いている大人たちはどういう気持ちで働いてるのかな。自分が本当にやりたいことを仕事にできてる人って世の中どれくらいいるのかな。別に、世の中はしんどくても辛くても誰かがやらなきゃいけない仕事はたくさんあるから、自分がやりたいことをやれてるからといって偉いわけじゃないけど。

 

そこで聞きたいことがあります。

自分が本当にやりたい仕事ではないけど、何らかの理由で今の仕事をしている人へ。

「本当は別の仕事がしたい」っていう気持ちはやっぱりあるもんなんですか?もし、あるとしたら自分でその感情をどう消化しているのですか?諦めることも我慢することも生きるためには大事なことなんですかね?人生の先輩方、教えてください。

胡散臭いセミナー講師のやかましい説教っぽくなっちゃったけど、マジで純粋に知りたいです。

 

反対に、サラリーマン辞めて小説家とかお笑い芸人とかバンドマンとか、サッカーの監督とかになった人たち。最初は普通に働いてて、でも自分のやりたいこと捨てきれなくて、一世一代の人生の大勝負を仕掛けた人にも聞きたいです。多分、そうなるためには犠牲とか苦労とかたくさんあったと思います。自分が周りからどう思われてるとか、世間体を気にしたことって一回もないですか?一回くらいはさすがにありますよね?「今、やりたいことのために、アルバイトで食いつないでる状態なんだよなぁー」って年下のバイトに嘘つかずに言えるもんなんですか?

 

あと、もう一つ読んでるときに考えたことがあるんだけど。

自分の中の、闇みたいな毒みたいな黒い部分ってめちゃくちゃ大事なんじゃないかって思った。何なら、好きなこととかやりたいことよりも大事かもしれないな、って。例えばおれだったら、さっきも言ったけど高校生までサッカーしかしてなかったから、大学生になってコロナ禍でサッカーをしてない自分に直面した時、「サッカーしてない自分って価値ないやん」とか「自分からサッカー取ったら無知で無能人間やん」みたいな。その時は、結構病んじゃったな。中二病かと思うかもしれないし、大げさかもしれないけど、「自分って何だ、なんで生きてんだ」みたいなことまで考え始めちゃって、別に死んでもいいかなって何回も思った。両親は悲しむだろうけど、悲しむのは両親だけだし、あとはなんも変わんないし。もし親が毒親でカスみたいな人だったら死んでもいいや、ってなるけど、そういう両親でもなかった。それがむしろ辛いって感じることもあった。

 

今でも、病んでなくても楽に死ねる方法とかよく調べたりする。常に死ぬという選択肢を持っておけば、これから辛くなった時に逃げ道になるというか。なんか安心する。うわー、つら、しんどいし、いいやもう死んじゃお!みたいなテンションで。そうしないとやってらんない。

 

話を戻して、自分の黒い部分が大事だと思うのは、やばい時に逃げ道になるから。実際に死ぬかどうかは別として、「どうせおれこのあと死ぬから、もうどうにでもなれ」って思っておけば、追いつめられることもない。他の人がどうかは知らないけど、今の自分は自殺する方法を調べることで生き延びることができているという変な矛盾が発生している。

 

最後に、この本の最後にオードリー若林の解説があるんだけど、良かった。図書館で立ち読みするだけでいいから、今度読んでみてほしい。